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環境コンサル、ビジネスやってますの巻
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朝日新聞記者による、武田邦彦と各分野からのパネリストで構成された討論会の内容を書籍化したもの。

けっこう面白い。

特に、ダイオキシンに関する討論は秀逸。 温暖化の論議は誰も専門家が入っていないためダメ。リサイクルは、もうちょっとデータを検証してからじゃないと議論になんない、って感じかな。

武田邦彦が質問に真摯に答えていない様など、変な編集をしていないところにも好感がもてる。

ダイオキシンについて述べると、その生体毒性は疫学的な部分も含めてまだ未解明な部分が多いというのは、けっこう前から指摘されていたことだと思う。

いずれにせよ、化学物質の問題は難しい。

ぜん息や発疹、めまいなどの比較的軽微な病的症状がでたときに、はたしてその原因がどの化学物質によるものなのか特定することが非常に困難であるからだ。

例えば、ボールを投げる瞬間にそのボールがどこえ向かうのかを予測することは簡単であるが、すでに投げられたボールの位置から、ボールがもともとどこから投げられてきたのかを推定することは極めて難しいことと問題の構図はよく似ている。

このような問題を、一般に逆問題という。

化学物質についても、その問題の構図が逆問題的であり、疫学的症状を引き起こす物質が無数に存在するならば、原因を特定することはそもそも難しいのではないか。

そうであるとすれば、結局投入できる資源をうまく分配しながら予防原則に則り対策を講じるしかない。

しかし、なぜこの書籍の共著が武田邦彦になっているのだろうか。

中身を読む限り、彼は"はじめに"の部分(2ページ)を書いているだけで、内容の編纂などには係わっていないのではないか。

武田邦彦は、やっぱりウソをついているのか

 

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現代の日本社会の格差社会、貧困問題を考える上で必須の著だと思う。 翻訳は経済学の泰斗、佐和隆光先生。

グローバル化した世界においては、結局格差社会を是正しコントロールすることは不可能である。

競争をなくすことなできない。

ならば、よい社会の構築とは「排除」を生みださない社会を構築することとなる。

よい社会の構築のために、自己の尊厳を立脚する反復性のある、ギデンスの言葉で言えば文化的なものが必要にある。

そして、それは国家ではない。

環境でメシを食っている私にとっておもしろかったのは、環境問題を定義する脅かし屋の存在の必要性である。

地球温暖化を例にとれば、それが実現するという脅かし屋の存在があるから問題がはじめて提議される。

もし、温暖化が本当であれば、「脅かしてくれてありががとう」となり、間違っていれば、「このウソつき野郎」となる。

割に合わない仕事だ。

しかし、脅か屋がいなく対策をとらなければ、それが本当だった場合に人類は壊滅的な打撃を受ける。そうでなければ「何事もなくよかったね」となるか気付きもしないのだろう。

実は会計士や各種監査員の仕事も同じフレームワーク行われているのだが、これらについて、後者の「何事もなくてよかったね」という一定の評価を受けるだけである。問題がなかったといって「このウソつき野郎」とはならない。

リスクを考慮した意志決定についていえば、地球環境問題のように減少が不可逆的であり、被害が地球全体規模でリスクが無限大で、地球環境問題のようなパレート最適解(妥当である解)が存在しない場合においては、対策を取るという意思決定しかありえない。

というのが、1992年のリオ宣言で提唱された予防原則なのです。

日本の環境原理主義批判原理主義者達は、科学的に不確かな部分が残るので批判的になっているが、その不確かな部分を考慮しリスクが無限大に発散するということを理解していない。

さすがギデンス。

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日独の比較政策研究、というよりはドイツのバイオマス事情を紹介する内容。

<ドイツでバイオマス活用が進む理由>
1.自治体がゴミを有料で回収。結果として、民間リサイクル業者がそれよりも安い回収価格を提示することにより、家庭がリサイクル業者による回収を選択するインセンティブを誘起することとなる。

2.固定価格法による販売最低価格の保障。とくにビジネス立ち上げ時は、エネルギー業界のような競合会社によるシェアが確立されているようなマーケットでは、ビジネスが軌道に乗るまでに優遇措置が必要。
※日本においては、RPS法(⊂固定枠制、クォータ制)により販売電力量に対し一定の再生可能エネルギーを電力会社が販売することを義務付けているが、現実的には目標が達成されればそれ以上市場が拡大することはない。

3.バイオガス施設稼働にともなう問題として、残渣液(廃液)の処理があるが、ドイツではそれを液肥(肥料)として使用する。日本では、行政、独法主体でこれを行っているため、勝手に他人の畑に真黒な残渣液を撒くわけにもいかず、その処理が難航している(この問題は、実際にあるNPO法人の理事から聴いたことがある)。残渣液処理のために高額な凝集剤を使用することがあるが、その結果事業が赤字となり、その穴埋めを税金を投入し行っている。

<結論>
バイオマス事業を含めた我が国の再生可能エネルギー事業は、地方電力会社が既得権益を固持しようとしていることもあり、社会制度設計の面からうまくいっていない。

・・・まあ、そうだろうね。

書籍の内容は、博士論文というよりも、どこぞのシンクタンクのレポートみたいだが、法を含めた社会制度の観点からドイツのバイオマス事情を俯瞰するための好著だと思う。

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